何年か前まではテレビは普通に見ていたが、この頃はめっきり見なくなって
しまった。内容がまず、つまらなくなったのと集スト被害者になってから
は、マスコミというものが信用ならざるものだという事がわかったからで
ある。しかし最近たまたまテレビをつけてみて、これはと思う番組に遭遇し
た。その番組は、まるでテクノロジー犯罪を彷彿とさせる内容なのである。
闇側はわざと私にこれを見せて驚かせようとしたのだろうか。それともこの
謎を解いてみろと思って誘導したのだろうか。いずれにせよテクノロジー
犯罪を地でいくような内容なので今回はこの番組の内容を検証していき
たい。

番組名は”たけしの超常現象!?不思議なニュース ”でテレビ朝日の
番組である。放送したのは12月1日(水)は夜7時であった。被害者の
人でも見た人がいたかもしれない。この番組の内容は超常現象の様々な
ニュースや目撃情報、実験などを紹介するバラエティー番組で、MCが
ビートたけし、進行が芸人の、かまいたちと女性アナウンサー、ゲストが
伊集院光や劇団ひとりなど他数人の芸能人である。
この番組の一枠のコーナーにブレインダイブという実験のコーナーがあり
その内容がまさにテクノロジー犯罪そのものなのである。実験を行うのは
自称、ブレインダイバーと名乗るメンタリストともマジシャンともとれる
ような肩書きの人物であった。この人物が被験者の芸能人を二人使って
ブレインダイブの実験をしたのだ。実験に選ばれたのは、芸能人の
伊集院光と劇団ひとりで、この二人の感覚と思考を繋げるという試みで
あった。一番初めの実験はブレインダイバーの肩慣らしのようなもので簡単
な感覚の共有といったものである。まずブレインダイバーが二人の
感覚意識を繋げたという宣告をする。そして伊集院は目かくしをされて待機
し少し離れたところに居る劇団ひとりの鼻の頭を紙でなでるということをし
たのである。そしてブレインダイバーが伊集院にどこか触られたかと聞くと
伊集院は鼻の頭を何かで擦られたと言ったのであった。もちろんその間に
だれも伊集院に近づいたものなどおらず、鼻を触られた感覚などありようも
なかったのである。これは本人も周りの人間も相当驚いたようだ。
その次は少し複雑な設定にして感覚の共有をさせる実験をした。前回の
紙で鼻をこすった時のように二人の感覚をつなげる意識づけをしてから
実験に入ったのであった。まず二人をイスに座らせて画面右に劇団ひとり、
左に伊集院を配置した。劇団ひとりのほうは目かくしをして、伊集院の
ほうはただ座らせてあるだけである。ブレインダイバーは劇団ひとりに
近づき、もし私が障ったとわかったら手を上げてください。と頼んだので
あった。ブレインダイバーは劇団ひとりの肩を触ったり、足を触ったりし
て計5回それを繰り返した。その都度、劇団ひとりは触られたのを感じて手
を上げていたのである。そして6回目から劇団ひとりから離れて伊集院の
ほうに行き肩と脇腹をさわったのだ。しかし触ったのは伊集院のほうなの
に劇団ひとりが自分が触られたと思って、その最後の2回に手を上げたの
である。これには当人たちも周りの者も驚いたようだった。
この現象はどういう解釈をしたらいいだろうか。やはりテクノロジー犯罪
の生体通信による意識の共有だろうか。それであるならばブレインダイバー
なる人物は相当の発明家か闇側の人間ではないかという事になるだろう。
しかし今回はあえて違った目線でこの事象を推測してみたいと思う。
つまり生体通信ではなくトリックのようなものではないかということである。
劇団ひとりが最後の2回に手を上げたときの感触は、何かを皮膚に照射
されたのではないかということなのだ。最後の2回は伊集院を触ったと
同時に劇団ひとりにも同じ部位に何かを照射させれば感覚が繋がった
というトリックが成立するのだと思う。さてその何かとは何か。一番の候補
としては、超音波発生装置ではないかと思う。現在、空中超音波触感
ディスプレイというものがあるそうだ。ネットにある記事を一部紹介する。
東京大学 篠田・牧野研究室
空中 超音波触覚ディスプレイ (AUTD) は、多数の超音波振動子
を配列した超音波振動子アレイにより、空中の任意の位置に超音波
の焦点や細かい分布を作り出します。これによって、何も装着して
いない人体表面に触覚を提示することができます。
音のエネルギ密度の大きい超音波の焦点においては、正負に変動
する音圧の平均値が上昇します。これは音響放射圧と呼ばれており、
これが人体表面を押す力となります。焦点は、「フェーズドアレイ」
の原理によって形成され、焦点位置は電子的に制御することがで
きます。また、一つの焦点を作るだけでなく、計算機で逆問題を
解くことによって複雑な空間分布を作り出すこともできます。
AUTD が生成する圧力の大きさは、現状で、1平方センチメートル
あたり 50 mN 程度までです。また空間分解能は、使用している
波長(40 kHz では 8.5 mm)程度までです。このような制約はあり
ますが、その範囲で力の時空間分布を自在にデザインし、さまざま
な触感を作り出すことができます。
このように非接触で触覚を刺激する技術の領域は「空中ハプティクス」
と呼ばれ、最も基本的な部分については 2008 年から 2010 年代の
前半までに東京大学によって提案・確立されました。その後各国の
大学や民間企業が参入し、研究開発が活発に行われています。

空中超音波触覚ディスプレイ
この装置は空間に超音波の焦点や分布をつくるという事で人間の皮膚表面
にも集中させることができるようだ。これによって触感をつくることが可能
のようである。装置自体も入手可能だというから驚く。販売しているのだ。
こういったことからトリックとしては、スタジオ内にブレインダイバーの
助手のような人間がいて伊集院が触られたと同時に装置を使って劇団ひとり
に超音波を当てるということをしていたのではないだろうか。憶測ではある
が可能性は充分あると思う。
ブレインダイバーは感覚の共有実験の他にも思考の共有の実験というもの
もやっている。これはテクノロジー犯罪で言うところの思考盗聴に類似する
現象の実験ではないだろうか。
この実験も伊集院光と劇団ひとりが被験者となって思考を読み取る現象を
体験することになる。まず前回の触感共有の時と同じように二人を少し
離れた位置のイスに座らせ、また二人が感覚を共有しているということを
意識づける。そしてブレインダイバーが伊集院に目隠しをしてから劇団
ひとりに10枚ほどある絵カードの中から一枚選ばせ、劇団ひとりだけに
そのカードが何かということを視認させる。カードには物だの動物だのの
絵が描いてあるのである。それが終わり伊集院には目隠しをはずさせて
今度は耳を塞がさせ、目もつぶるように指示する。そして劇団ひとりには
伊集院を見ながら自分の引いたカードの内容を言葉として頭の中だけで念じ
るように指示したのである。すると伊集院のほうに変化が起き何か音声の
ようなものが聴こえるということを言い出したのである。その聞こえ方と
いうのが変わっており、ぼんやりしたものが体に響いているということで
あった。そして数秒たってから、その音声がはっきり理解できたようで
躊躇しながら「ピーナツバター」と言ったのである。それに呼応して劇団
ひとりが自分の持っているカードをオープンすると、そこにはピーナツバ
ターの絵と名称が書いてあったのである。周囲の人間もまたもや驚いて恐さ
も感じているようであった。
さてこの現象もトリックだと仮定して検証してみたい。前回の触感の共有
と同様に、これも思考の共有ではなく、伊集院に何かの方法で言葉が伝達
するように細工されているような気がする。つまり劇団ひとりが思念を
送っているのではなく誰かがその時点で何かしらのものを伊集院に照射
しているのではないかということだ。この何かしらというものの候補と
してはニューロフォンではないかと思う。ニューロフォンの原理は人間の
皮膚に微弱な振動を与えて音声信号を認識させるというものである。伊集院
の言葉「ぼんやりとしたものが体に響いている」といった表現はまさに
ニューロフォンの現象そのものではないだろうか。
ニューロフォンについては私のブログでも一回取り上げたことがある。
その解説を再び掲載したい。
ニューロフォンはパトリック・フラナガンが発明したとされてい
ます。1958年に彼が14歳の時に初期モデルを完成したようです。
どういうものかというと特許では電磁波に音声をのせて、それを直接、
人間の神経で音として聴けるというものでした。言い換えると耳を通
さなくてもいいという事です。最初は1ワット、40キロへルツの
出力だったようです。電磁波としては1ワットは、とても大きいです。
そして40キロヘルツは、たまたまですが、音の周波数で言えば超音
波の帯域です。その後改良を重ね高周波振幅変調の方式を取り入れた
ニューロフォンが開発されました。改良された発信機は人間の身体
と最高に共鳴したということです。その音は鮮明ではっきりと頭の中
で知覚されたのです。もし、あなたがニューロフォンが発生する電流
により刺激されている皮膚に聴診器をあてたならば皮膚の微細な振動
を探知できるでしょう。我々人間の神経組織がスカラー信号に敏感で
あるという事が明らかになったのです。

ニューロフォン回路
補足だが、音響機器メーカーがニューロフォンのサラウンドシステムを開発
しており、特許をとっている。そしてネットを検索すると簡易的なニューロ
フォンの回路のつくり方などがあり、試作も可能なようである。こういった
ことから、小型のニューロフォン装置が世の中に存在してもおかしくはないと
いうことだ。また40キロヘルツというのは空中 超音波触覚ディスプレイ
の超音波周波数と同じである。
伊集院が体験したのはニューロフォンである可能性が高いのではないだろうか。
では実験のカラクリはどういうものかというと、こうではないだろうか。劇団
ひとりにまず絵のカードを選ばせるがブレインダイバーはその絵を見ていない。
見ているのは劇団ひとりだけである。しかしブレインダイバーはマジシャンの
テクニックも持ち合わせているようであるから、そのカードが何であるかを
わかっているに違いない。わかったその時点でスタジオ内の近くに控えている
助手か何かに、どのカードを劇団ひとりが引いたか合図を送ったと思う。
そしてそのカードに描かれている絵の名称を音声データとして電磁波にのせて
伊集院に照射したのではないだろうか。音声は助手の声か人工音声であろう。
この実験ではカードが使用されているが、ただ言い当てるゲームならば、カード
など使用せずとも、自分自身が紙に描いて伏せて持っていればいいだけである。
わざわざカードを使用するのは、ブレインダイバーがカードの絵を認識する必要
があったためだと言えるだろう。また実験の被験者の二人をイスに座らせたのは
二人の位置を固定して超音波や電磁波を照射しやすくするためだったのかもしれ
ない。
以上がブレインダイブの実験の中身ではないかと推測してみたがいかがだろう。
我々が受けている生体通信、思考盗聴とは少しレベルが違うかもしれない。大
きな違いは人と人が頭の中だけで意思疎通ができる、できないという点である。
この実験では一方通行で脳と脳が繋がっているという事は言えないのではないだ
ろうか。マジックの類と捉えても差しつかえないかもしれない。
しかしこれらの方法はテクノロジー犯罪の基礎であるかもしれないのである。
ブレインダイブの実験で被験者の芸能人二人は、テクノロジー犯罪の手口を体験
したことになるのだ。この実験は私にとっても、充分ためになったと思う。テクノロジ
ー犯罪の輪郭が少し、はっきりし始めたと言ってもいいかもしれない。今後もこうし
たテクノロジー犯罪に類似する現象がネットやテレビで取り上げられていないか
注意し、気になったものを取り上げていきたいと思う。
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